家を売るための基礎知識【完全版】
住み替えや転勤、または離婚などで家を手放すことがあると思います。
家を売ろうと思ったものの、何をすればいいのか?
そもそも何を把握しておくべきなのか分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、家を売るなら何を決すればよいのか・何を知っておかなければいけないのか、家を売るときに何を気を付ければいいのか、はじめて売却する方にも分かりやすいように解説していきます。
1. 家を売るために知っておくべきことは?
2. 家を売る方法は?
3. 家を売るべきタイミングは?
4. 家を売る手順は?
5. 家を売るのにかかる期間は?
6. 家を売るときの売却相場は?
7. 家を売る時に必要な費用・税金は?
8. 家を売る時に必要な書類は?
9. 家を売る時の注意点は?
10. こんな状況で家を売るためにはどうすればいい?
11. 家を売るために絶対にやるべきことは?
家を売るために知っておくべきことは?
転勤で家を住み替える・家を相続した・離婚して財産分与したいなどの理由で家の売却を行いたい方もいると思います。
そのような方が家の売却をスムーズに進めるためにすべきことは以下の通りです。
家を売るために知っておくべきこと
2章:まずは売る方法を決める
3章:家の売り時がどのタイミングか見極める
4章:手順に沿って家を売るためのイメージを持っておく
5章:売却に必要な期間を知って余裕あるスケジュールを立てる
6章:家の売った場合の相場を把握する
7章:家を売る時の様々な費用や税金を把握する
8章:家を売る時の必要書類を把握する
9章:家を売る時の基本的な注意点を押さえる
10章:自分の状況に合わせた注意点を押さえる
11章:家を売る時に絶対にやるべきこととやらなくてもいいことを守る
ここからはこれらすべきことのために必要な情報をお伝えしていきますので、1度の売却を失敗することなく、ちゃんと成功させるためにしっかりと確認していきましょう。
それでは、詳しく解説していきます。
家を売る方法は?
家を売る方法は、主に「仲介」「買取」「個人売買」「任意売却」の4種類です。
仲介 | 買取 |
家を高く売りたい方向け 買主探しに時間がかかる可能性があるが、相場価格通りに売りやすい | 家をとにかく早く売りたい方向け 確実に売却が完了するが、仲介の7~8割程度の価格になってしまう |
個人売買 | 任意売却 |
仲介手数料をかけずに知り合いに売りたい方向け 買主探しや契約等を自分で行う代わりに仲介手数料をかけずに売れる | 売ってもローンが残る方向け 家を担保に売却後の分割返済ができるので競売にかけられることなく売れる |
仲介
家を高く売りたいなら、仲介による売却がおすすめです。
仲介では、不動産会社が売主に代わって広告を掲載し、広く買主を探します。
この方法では多くの人に物件を見てもらえるため、競争が起こりやすく、結果的に高値での売却が期待できます。
ただし、買主探しには時間がかかることもあり、価格設定や市場の動向によっては半年以上売却活動が続くこともあります。
また、仲介手数料が発生する点も考慮する必要があります。
仲介手数料は家が売れた時にのみ支払うもので、売却価格の約3%強が一般的です。
そのため、売れずに無駄な支出が発生する心配はありません。
比較的時間に余裕があり、できるだけ高く売りたい方には仲介による売却が最適な選択肢です。
買取
家をとにかく早く売りたい場合は買取がおすすめです。
買取では、不動産会社が直接買主となるため、買主を探す手間が省け、通常の仲介よりも早く売却が完了します。
特に急いで現金化が必要な場合、買取では最短で1ヶ月以内に売却が可能です。
ただし、買取には注意点もあります。不動産会社は購入した物件をリフォームや再販のために買い取るため、相場よりも低い価格で買い取る傾向があります。
一般的には仲介での売却価格の7~8割程度が相場となっています。
その条件であったとしても早急に売却を完了させたい方や急な資金調達が必要な方には、スピーディーに進められる買取が非常に有効な手段となりますよ。
個人売買
親族や知り合いなど、すでに家を売る相手が決まっている場合には個人売買がおススメです
個人売買は不動産会社を介さずに自分で買主を見つけ、直接取引を行う売り方のことを言います。この方式では仲介手数料が不要となり、費用を節約できるという大きなメリットがあります。さらに、通常の不動産市場で販売が難しい物件でも、買主と直接交渉することで取引が成立しやすくなります。
個人売買の注意点としては、通常不動産会社がサポートしてくれる契約書の作成や取引手続きを自分で行う必要がある点が挙げられます。契約内容の確認や手続きの進行に不慣れな場合、思わぬトラブルが発生する可能性もありますので、慎重な対応が求められます。
最近では、不動産個人売買を支援するサービスやウェブサイトも増えてきており、契約書の作成や手続きに必要なサポートだけを受けることも可能です。興味のある方は、こうしたサービスを活用してよりスムーズな取引を目指すとよいでしょう。
任意売却
売却後もローンが残ってしまう家を売りたいなら任意売却がおすすめです。
任意売却は、住宅ローンを組んでいる金融機関の承認のもとで家を売却する方法のことです。
金融機関は住宅ローンを貸す際に、万が一回収できなくなった場合に備えて抵当権を設定します。もし家を売ってもローンが残ってしまう場合は、担保となっている家は競売にかけられる可能性がでてきます。
競売では売却時期や価格を家主が決めることはできず、売却価格は市場価格の6〜7割、場合によっては半額程度になることもあります。
これに対し、任意売却は市場価格の8〜9割で売却できるため、返済資金が確保しやすく、近隣住民にも知られにくいです。このように競売よりメリットが多いため、住宅ローンの返済が苦しい場合や離婚時の財産分与などでも利用されます。
家を売るべきタイミングは?
家を売る時には、家を買いたい人が多い状態をタイミングを見極めることで好条件で売却できる可能性を高めることができます。
家を売りやすいタイミングは築年数・季節を基に考えることができます。
①築年数
基本的に築年数が浅いほど家は高く売れるため、出来るだけ高く家を売りたい方は今年中などとにかく早いタイミングで売りましょう。1~3年ほどの余裕を持って家を売りたいという方は、築5年・築10年・築15年など次の築年数の区切りが良い年までには売るとよいでしょう。区切りが良い年までに売ると良い理由は、購入希望者は築年数の区切りをもとに家を探す方が多いため、区切りを超えてしまうと家探しの時点で家を見つけてもらえる機会が大きく減ってしまう可能性があるからです。
特に築20年を超えると家の建物部分価値がなくなっていくため、築20年を目安としてできればそれより前に売るとよいでしょう。
②季節
4月は生活や環境が変わる時期なので、新しい家で新生活を始めたいという人が多くなります。このため、売るタイミングとして適した時期は2月や3月になります。
学生の進学や企業の転勤などが多くなるこの時期は、家を探している人が増えるため、
良い条件で売れるチャンスが高まりますよ。
家を売るには少し時間がかかることもあり、一戸建ての場合は売却が完了するまでにだいたい4〜6ヶ月かかると言われています。そのため、2月や3月を狙って家をスムーズに売るためには、8〜9月頃から売却の相談や査定を始めるようにしましょう。
こうすることで年明けからの活発な市場に向けて準備を整え、素敵な買い手に家を見てもらうチャンスが増えます。また、早めに動くことで必要な修繕やお掃除を行う時間が確保でき、買い手に良い印象を与えることができるでしょう。結果として、更に早く売れたり、より高く売れることが期待できますよ。
家を売る手順は?
家を売る全体像をつかんで、どのようなステップで売却が進むか理解しましょう。マンション・一戸建てなど物件種別問わず、家を売る時は下記の通りに進みます。
家を売る手順
手順1:自分でも売却相場を調べる
手順2:不動産会社に査定依頼
手順3:不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
手順4:家を売り出す
手順5:条件交渉をまとめ売買契約を結ぶ
手順6:家を引き渡す
手順7:確定申告を行う
※ただし、「買取」で売却する場合は直接不動産会社と売買契約を結ぶため、手順3・手順4はスキップします。
それぞれのステップで知っておくべきポイントをご説明します。特に知りたい手順をクリックすると、詳しく説明している部分に移動します。ここからは、「仲介」で売却する時の流れをメインに、他の売却方法にも触れながら流れを解説していきます。
手順1:自分でも売却相場を調べる
不動産会社の査定依頼をする前に、まずは自分家の売却相場を調べましょう。会社によって査定価格が異なるため、売却相場を確認しておかないと結局いくらで売ればいいか分からなくなります。相場の知識があると、不動産会社と価格交渉をする際に自信を持って話せるようになる効果があり、価格面で損するリスクが最小限に抑えられます。このように、事前に相場を調べることは、安心して売却活動を進めるための大切な準備となります。
細かくは6章で説明いたします。
手順2:不動産会社に査定依頼
準備が終わったら、次に不動産会社に査定依頼をしましょう。査定方法には「机上査定」と「訪問査定」の2つがあります。
不動産会社に査定を依頼する流れは意外とシンプルです。まず、インターネットや電話で希望する不動産会社に連絡し、家の所在地や面積、築年数などの基本情報を伝えます。
ここまでの情報で査定結果を導くのが机上査定です。
その後、担当者が実際に家を訪れて、物件の状態や周辺の環境を確認します。
これを訪問査定といい、建物の状態や設備の新しさ、立地の良さなどが評価されます。
査定が終わると不動産会社から査定結果が報告され、売却価格の目安が分かるようになります。
手順3:不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
各社から査定結果をもらい、売却のサポートをしてほしい不動産会社を選んで媒介契約を締結します。
媒介契約には「専任媒介」「専属専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。
専任媒介:1社の不動産会社にのみ依頼する契約で、自分で買い手を見つけた場合でも契約は有効です。
専属専任媒介:1社だけに依頼しますが、自分で買い手探しをすることはできません。
一般媒介は複数の不動産会社に依頼でき、売主自身が買い手を見つけることも可能です。
専任媒介と専属専任媒介は迅速な売却を目指す場合に向いており、一般媒介は多くの選択肢から最適な条件で売却したい場合に適しています。自分の売却の目的や希望に合わせて選ぶことが重要です。
手順4:家を売り出す
不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動スタートです。仲介の場合、売り出してから売却が完了するまでに約3~5ヶ月ほどの期間がかかると言われています。査定価格を基に、不動産会社と相談して「売り出し価格」を決めたら家を売り出します。物件情報を掲載し購入希望者を集めるのは不動産会社の役割ですが、[/underline]購入希望者から連絡があれば基本売主も立ち会って「内覧」対応をする必要があります。
手順5:条件交渉をまとめ売買契約を結ぶ
内覧などを経て購入希望者の購入意思が固まったら、不動産会社経由で購入申込書が送られてきます。その際、値引き交渉や家を引き渡す時期等の条件交渉があることが多いです。条件交渉がまとまったら、売買契約にうつります。売主・買主双方と不動産会社が立ち合い契約内容を最終確認した後、署名押印をして売買契約の締結となります。このとき、手付金という形で売却代金の一部を受け取ります。
手順6:家を引き渡し決済を行う
売買契約が終わったら、売買契約で定めた日時で引き渡しと決済が行われます。この時、売却代金の残額の受け取りや住宅ローンが残っている場合は返済を行います。
売主・買主・不動産会社・金融機関の担当者を交えて決済が完了したら、同日のうちに家の引き渡しが行われます。室内の状態や契約で決めた条件を確認して、権利関係の「登記」手続きを終えたら、仲介した不動産会社は一旦役目を果たしたことになります。
手順7:確定申告を行う
決済と引渡しを終えたら、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行いましょう。
確定申告は、家を売って得た利益にかかる税金を納付するために欠かせません。確定申告を行うことで、利益にかかる税金の額を減額することが出来る特例制度があります。
同じく家を売って利益が得られず損失を生んでしまった場合でも損失を減らすことが出来る特例制度もあるため、売却後の損益状況によらず家を売った方は必ず行うべき手続きとなります。
家を売ることの全体像が分かったら、まずは不動産会社に査定を依頼して「自分の家がいくらで売れそうか」を確認しましょう。
家を売るのにかかる期間は?
一戸建ての売却にかかる期間は3か月から11か月と言われており、平均4か月ほどになっています。
不動産会社に査定を依頼し、販売価格を設定して広告を出すまでに数週間かかり、その後、内覧を希望する人が現れるまでにさらに時間がかかることが一般的です。
内覧が終わってから買主との条件交渉、売却のための諸手続き、住宅ローンの審査等すべての工程を経て、売却が完了するまでに4か月程度が必要とされています。
ただし、家の売れやすさや不動産会社の売却力などの違いで変化するため、一概に計算することができません。
家を売るのに予想より時間がかかり資金繰りに影響が出てしまったなどの失敗を防ぐためにも、余裕あるスケジュールで進めることが大切です。
最低でも6か月は確保しておくとよいでしょう。
短い場合の必要期間は約1か月
家を売る期間が1か月ほどで済む場合もあります。
これは、物件が特に人気の高いエリアにあり、すぐに買い手が見つかるような場合に発生します。他にも価格が市場相場よりも低く設定されている場合や、買主が現金での購入を希望していてローン審査の時間がかからない場合など、購入決定が迅速に進むケースが該当します。
このように、売り手側の希望に対して購入希望者が現れやすい状態を作り出すことができ、手続きがスムーズに進む条件が揃っている場合には、1か月ほどで家が売れることがあります。
長くなる場合の必要期間は1年以上~数年
なかなか売れない場合は、家を売るのに1年以上かかることもあります。物件の立地や状態の条件が良くなかったり、価格設定が相場からおおきく外れている場合に起こりがちなケースとなります。
例えば、交通の便が悪いエリアや、修繕が必要な物件などは、買い手が見つかりにくくなる傾向があります。また、価格が高く設定されすぎている場合も、売却が長引く原因となります。
また、不動産市場全体が低迷していて家を買いたい人が少ない時期であれば、家や価格の条件によらず売れにくくなることがあります。
これらの結果、売却までの期間が1年以上になることがあります。
家を売るときの売却相場は?
家を売るときには家の売却相場を把握しておくことが非常に重要です。
会社によって査定価格が異なるため、売却相場を確認しておかないと結局いくらで売ればいいか分からなくなります。
家の売却相場はエリアごとに異なりますが、おおよそ築年数ごとの下落率を基に調べることができます。
ざっくりとした価格を簡単に調べたい方は以下のシミュレーションをご利用ください。
戸建ての場合の相場
家が戸建ての場合、築年数を基にした相場は以下の通りです。
マンションの場合の相場
家がマンションの場合、築年数を基にした相場は以下の通りです。
家を売る時に必要な費用・税金は?
家は買うだけでなく、売る際にもお金がかかります。必要となる費用・税金は以下になります。
内容 | 費用概要 |
仲介手数料 | ・不動産会社への報酬 ・売却価格の約3%程度 ※売却価格によって異なる |
譲渡所得税 | ・売却益にかかる税金 ・最大3,000万円まで控除あり |
司法書士報酬 | ・登記を司法書士に依頼する場合の報酬 ・約5万円~10万円 |
リフォーム費用等 | ・家をリフォームやクリーニングした場合にかかる費用 ・約5万円~20万円 |
印紙税 | ・売買契約書に貼る印紙代のこと ・約200円~6万円 |
抵当権抹消費用 | ・抵当権抹消にかかる税金 ・数万円 |
特に支払う額が大きくなりやすいのが、仲介手数料と譲渡所得税です。仲介手数料も譲渡所得税も金額を抑えることが出来るので、気になる方は記事をご覧ください。
仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に家の売却を依頼した際に発生する費用です。
この手数料は家が売れたときに支払うもので、家の売却価格に応じた上限額が法律上で定められています。
不動産の売買価格 | 手数料の上限 |
売買価格税込が200万円以下の場合 | 5% + 消費税 |
売買価格税込が200万円超え400万円以下の場合 | 4% + 2万円 + 消費税 |
売買価格税込が400万円超えの場合 | 3% + 6万円 + 消費税 |
手数料が発生するのは、契約成立後であり、売却価格が確定してから支払いが行われます。高額な売却になるほど手数料も大きくなるため、売却前にこの費用をしっかり確認しておくことが大切です。
譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産を売却した際に得られる利益に対して課される税金です。売却価格から購入価格や経費を差し引いた額が譲渡所得となり、その額に対して税金がかかります。
譲渡所得税の税率は、所有期間によって異なり、所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年超えの場合は20.315%です。
所持期間 | 税率 | |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(所得税 30.63% 住民税 9%) |
長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(所得税 15.315% 住民税 5%) |
売却利益が多いほど税額も大きくなるため、事前に計算し、売却計画に合わせて税金対策を検討することが大切です。
譲渡所得税を納税するためには売却後に確定申告を行う必要があります。
司法書士報酬
司法書士報酬は、家の売却に伴い必要な法的手続きのために支払う費用です。主に、登記の変更手続きや契約書の確認などを行う司法書士に対して支払います。
報酬の相場は、おおよそ5万円から10万円程度ですが、物件の種類や売買の複雑さによって異なることがあります。
司法書士は売却に伴う登記の移転手続きや、権利証の確認、必要書類の作成などを担当してくれるなど、売主と買主の権利を明確にする重要な役割を任せることができます。売買契約が複雑な場合や権利関係に問題がある場合は、追加料金が発生することもあります。
事前に見積もりを取って、納得のいく司法書士を選ぶことが大切です。
リフォーム費用等
リフォーム費用は、家の価値を高めるために行う改修や修理の費用です。家を売却する際には、内装や外装のリフォームを行うことで、物件の魅力をアップさせ、売却価格を高めることができます。
リフォームの内容には、壁紙の張り替えや床の修繕、キッチンやバスルームの更新などがあります。
リフォーム費用は規模や内容によって異なりますが、約5万円~20万円が一般的です。
投資した費用が必ずしも売却価格に反映されるわけではありませんが、購入希望者に良い印象を与え、早期に売却できる可能性が高まります。リフォームを行う前には、費用対効果を考え、必要な部分に絞って行うのが賢明です。
印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書に貼付する印紙にかかる税金です。この税金は、契約書の作成時に発生し、契約金額に応じて異なります。
売買契約の金額 | 印紙税の金額 |
1万円を超え 10万円以下 | 200円 |
10万円を超え 50万円以下 | 400円 |
50万円を超え 100万円以下 | 1千円 |
100万円を超え 500万円以下 | 2千円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 6万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 10万円 |
5億円を超え 10億円以下 | 20万円 |
10億円を超え 50億円以下 | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
この税金は、契約書が法律的に有効であることを証明するためのもので、売主と買主の双方が負担する場合もあります。
登録免許税
登録免許税は、抵当権抹消登記に必要な税金で、物件の評価額や登記内容に基づいて計算されます。例えば、登録免許税は不動産の評価額に対して一定割合で課税されるため、物件の価値が高いほど税額も増えます。
一般的には、数万円程度の費用がかかることが多いです。
計算式と税率は以下の通りです。
登録免許税額 = 課税標準 × 税率
なお、登録免許時は司法書士に登記手続きの代行を依頼することが多いです。その際の手数料はおおよそ3万円から5万円程度が一般的ですが、手続きの複雑さや地域によって異なることがあります。
抵当権抹消は、売却手続きの一環として非常に重要ですので、費用を含めた事前の準備を怠らないようにしましょう。
家を売る時に必要な書類は?
家を売却するとなると、さまざまな書類が必要になります。
相続や離婚、住み替えなど家を売却する理由によって必要な書類は異なるので、自分は何が必要なのかを事前に確認しておきましょう。
書類名 | 内容 |
登記識別情報通知 | 家や建物の名義人であることを証明する公的な書類 |
印鑑証明書 | 登録された印鑑が本物であることを証明する |
実印 | 市区町村の役所に登録し、公的に認められた印鑑 |
固定資産税・都市計画税納税通知書 | 税金の支払い金額を通知する書類。最新のものが必要 |
建築確認通知書・検査済証 | 建築基準法の規定に合致しているか確認した旨を示す |
測量図・建物図面など | 土地の境界線や建物の形状、位置関係を示す |
物件状況等報告書 | 土地や建物の状況を詳細に記した書類 |
本人確認書類 | 運転免許証やパスポートなど |
印鑑証明書などは役所で取得が可能ですが、家購入時にもらった書類なども必要になるので準備しておきましょう。
万が一書類を紛失してしまった場合などは、不動産会社に相談しましょう。代わりになる書類を教えてもらえたり、場合によっては必要なくなることもあります。また、書類は売却活動が始まる前にすべて揃えなくはいけないわけではありません。それぞれに必要なタイミングがあるので、順次揃えていきましょう。
家を売る時の注意点は?
売却の全体像を把握して基礎知識を身につけたら、売却を進めるときの注意点を解説していきます。主なものは以下の通りです。
家を売る時の注意点
【必須】査定は複数社に依頼する
【必須】家の売却が得意な不動産会社を選ぶ
【推奨】売出価格を少し高めに設定する
【推奨】内見前に部屋を綺麗にしておく
【推奨】値下げ交渉には応じる
【必須】売却後に確定申告を行う
【必須】査定は複数社に依頼する
家の査定価格は不動産会社によって数百万円も異なります。そのため、家の査定は必ず最低3社以上の不動産会社に依頼するようにしましょう。
正しい相場観を把握し、損のない価格で売り出すためには、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切なのです。
【必須】家の売却が得意な不動産会社を選ぶ
不動産会社は、それぞれで高く早く売却するのが得意な物件・状況が異なります。
そのため、ご自分の家と状況が似ている物件の売却実績がどれくらいあるかを見て、売却が得意そうな不動産会社を選ぶことが必要です。
【推奨】売出価格を少し高めに設定する
家の売却価格を決定するときは、買主から値引き交渉されることが多いため、最終的な売却価格は売出価格よりも若干低くなることが一般的です。
そのため、売却前に希望売却価格と最低売却価格を決めたうえで、希望価格よりも若干高い金額で売り出しましょう。
価格が低すぎると、物件に何らかの問題があると誤解される恐れがありますので注意が必要です。不動産会社と相談し適切な価格を設定するようにしましょう。
【推奨】内見前に部屋を綺麗にしておく
お家が高く早く売れるかは内覧に大きく左右されますので、内覧前にはきれいに整えて家が魅力的に見える状態にしておきましょう。
特に玄関やリビング、キッチンなどの共有スペースは清潔で整理整頓された状態を保ち、明るく心地よい印象を与えると良いです。
購入検討者に悪い印象を与えないよう念入りに掃除を行ったうえで、必要であればハウスクリーニングを利用するなどして清潔感をアピールしましょう。
【推奨】値下げ交渉には応じる
売却活動中には購入検討者との値下げ交渉が行われるのが一般的です。
その際に全部拒否してしまうと興味を持っている買手を失うリスクがありますので、妥協できる範囲とできない範囲をあらかじめ決めたうえで、値下げ交渉に柔軟に対応しましょう。
購入希望者が絶えないような人気物件であれば値下げせずとも買い手が見つかる可能性がありますので、バランスを見て決めるようにしましょう。
【必須】売却後に確定申告を行う
家を売って売却代金を得たら確定申告を行う必要があります。
確定申告を行うのは、売却した翌年の2月16日~3月15日までとなっています。場合によっては契約から確定申告までの期間が空くこともあるため、忘れないように注意しましょう。
また、事前に必要書類を用意しておくと便利です。
家の売却を成功させるために気を付けるべきことは他にもあります。詳細は以下の記事をご覧ください。
こんな状況で家を売るためにはどうすればいい?
家を売る際に以下の状況になるケースはよくあります。このような状態で家を売る時はどうすれば良いのでしょうか?
この章では状況別で気を付けるべきポイントをご紹介します。
状況別注意点が存在するケース
住宅ローン中の家を売る場合
住宅ローン中の家を売る時は、売却金額で住宅ローンが完済出来るか注意しましょう。家を売る前に住宅ローンの残債(残高)を把握していないと、売却活動を進めても売却が完了できない恐れがあるからです。家の売却では、売却価格や自己資金を使ってローンを完済しなければなりません。なぜなら住宅ローンはその家を担保にして融資してもらっているので、ローン完済していないと未だに家が担保になっており、抵当権を抹消できない状態だからです。
抵当権とは、お金を貸した人(債権者)がお金を借りた人(債務者)に対して行使できる権利です。債務者が万が一お金を返せなくなった場合の保険として、債権者が債務者の土地・建物などを担保にすることを指します。
古い家を売る場合
古い家は現在の法律ではなく昔の法律で建てられている場合がありますので、再建築不可に注意しましょう。
家は建てられた当時の法律に則っていれば違法建築にはなりませんが、取り壊すと次に建てる家には新しい法律が適用されるので、建築ができなくなったり、使用できる土地の面積が著しく減ってしまうこともあります。
売却活動を行う前に再建築不可でないかを調べ、再建築不可の場合は今建っている家がたとえ古くても取り壊しなどをしないように注意しましょう。
空き家を売る場合
空き家を売却する時は、管理を怠らないようにしましょう。
家は人が住まなくなると扉や窓が閉めっぱなしとなり、湿気が屋内に溜まるため家の劣化が早く進んでしまいます。また、庭の草木をそのまま伸ばし放題にしてしまうと野良猫がフンをしたり害虫が発生する原因となってしまうので、定期的な手入れを行い管理しましょう。
家の状態が悪くなれば売却額は下がってしまいますし、内覧時の印象も悪くなり買主が見つかりづらくなります。定期的に管理を行うことで不法投棄などの被害にも合いづらくなるので、家を売却する場合はより細かく管理を行う方が良いでしょう。
遠方に家があり自らの管理が難しい場合は、専門業者に依頼することも可能です。
不動産知識をしっかりと持っていれば、その場で分かりやすく質問に回答してくれるはずです。
住んでいる家を売る場合
住んでいる家を売る時は、内覧時に部屋を綺麗にしておくことが大事です。
住みながら売るとなると、内覧も住んでいる状態で行うことになります。そのため、生活感が出すぎている・汚れが目立つ・臭いがする状態だと、買主のイメージダウンにつながってしまいます。
事前に掃除をする・必要に応じてハウスクリーニングをするなどの対応をしておきましょう。
お金がない場合
家を売る方の中には、手元のお金を増やすためであったり、何かにお金を使うために売る方もいらっしゃるでしょう。
このようにお金がない場合は、仲介と買取のどちらで売るかしっかり選ぶようにしましょう。売却価格を高くしたい場合は仲介、早くお金が欲しい場合は買取がおすすめです。
家を相続した場合
家を相続した場合は、売る前に相続登記する必要があります。
相続登記とは、家の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人に変更することを指します。相続登記がされていないと家の名義が亡くなった方のままなので、売りに出すことができません。
そのため、最初に相続登記を済ますようにしましょう。
2024年4月1日から、法改正により、相続登記の義務化になりました。
3年以内に登記しなかった場合、10万円以下の罰金が課せられる仕様になったため、将来的に相続する可能性のある方は注意してください。
離婚する場合
婚姻中に2人で購入した家は離婚時に財産分与の対象となるため、「家を現金化して分ける」「一方が家を貰い、もう一方が現金などを受け取る」のどちら方法で分与するかをきちんと話し合ってから売るようにしましょう。
家を現金化する方法は離婚後にトラブルになりにくいというメリットがありますが、一方が家を貰う方法は家に住み続けられるというメリットがあります。
それぞれの方法にはデメリットもあるため、それらを考慮したうえでどちらの方法にするか考えましょう。
住み替える場合
今住んでいる家を売って新しい家に住み替えたい方もいらっしゃると思います。住み替えの方法は3つあり、「売り先行」「買い先行」「同時並行」です。
売り先行は住んでいる家を先に売ってから住み替え先を購入する方法で、買い先行は新居を購入してから家を売る方法です。売却と購入を同時に進めていく方法もあります。
方法によって、住み替え費用の工面のしやすさや新居選びへの時間のかけやすさに違いがあるため、どの方法が最も適しているか考えたうえで決めましょう。
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